2010/05/22

フレキシビリティある伴奏の考察(2)

伴奏のフレキシビリティということについて考察した前回の日記ですが、
さらに押し進めて考えをまとめてみたいと思います。

伴奏のフレキシビリティの為のアプローチの種類は以下になりますが、
もっと考えれば出てくるかもしれませんね。
でも大事なのは"ギターを弾く"と考えるよりも
6人編成の管楽器のSoli Writingであると考えて
よりBig Band Arrangement的なアプローチをとることだと思います。

[普通のコード]
そのまま楽譜に書いてある指示されたコードを弾く。
Rootとなる弦を6,5,4弦と変化させるだけでも
それなりのバリエーションの表現が可能になる。

[Tensionコード]
基本の4和音のコードにTensionを加えたコードフォームを活用。

[コードフォーム + Scale Note]
基本の4和音のコードフォームにAvailable Note Scaleを足して
自由なトップノートを付加してゆく。
一番簡単なリハモだがRootの縛りから抜けられない。

[インバージョン 転回形]
和音の並びを入れ替えてRoot Positionに留まらずに
1st, 2nd, 3rd InversionのコードフォームをBlock Chordとして使う。
Root, 3rd, 5th, 7thをトップノートに置き換える事ができ、
指板上を自由に扱えるようになる。

[インバージョン + Scale Note]
インバージョンコードの中に含まれないノート、
9th, 11th, 13th というNon Chord Toneを加える事で
全てのメロディが表現可能になる。

[Open Voicing Chord]
既存のコードフォームを無視して、
コードの用件であるノートを組み合わせて
自由なコードフォームやハーモニーを作る。

[Close Voicing Chord]
ギターでは苦手とされるClosed Voicingを活用。

[2 x 2 Voice]
4和音のコードから2音を抜き、
そこにスケールノート2音を挿入したコード。
3度積み重ね和音から離れ、
4th VoicingやOn Chordの響きに出会うことができる。

[Cluster Chord]
半音階でぶつかる響きを含むコード。

[ベースライン]
コードというアプローチをやめて
ベースラインを弾くという選択肢もある。

[ベースメロディ]
ベースラインの基本はコードのRootと5thなのだが、
それをあまり気にする事なく、低音のメロディを作曲するように
ラインやリフ的なベースプレイでコードの肩代わりをする。

[ギターリフ]
リズムギターのニュアンスを含むギターリフを
コードの代わりに弾いて間を埋める事もできるが、
ハーモニーや音圧感が足らなくなると
いいアレンジに聞こえてこないので
ベースと併用して演奏するのがよい。

[Double Stop Melody]
2つのノートを重ねてメロディを弾くDouble Stopも
コードの代わりにすることができ、
メロディアスに展開することができる。
3rd, 4th, 5th, 6th, 7th, 8th(Octave), 10th,
といった可能性がある。

[Triad Chord Melody]
Double Stopをひとつ押しすすめて、
3和音によるChord Melodyを作る事もできる。

[オクターブ奏法]
Wes Montgomeryのように太い音色で
メロディを弾く事ができるこのテクニックだが
音域によってはコードとして使う事も可能になる。

[コード メロディ]
コードソロとも言うテクニックだが
僕の場合は4和音中心に推移する演奏がこれにあたる。
インバージョン、4thコードなどを中心に展開すれば
かなり自由度も高い演奏ができると考えられる。

[リハーモニゼーション]
元々のコード進行と違う自分が解釈した新しい進行で
メロディをささえてゆくリハーモニゼーション。
IIm7 - V7やSub of V7、Dominant Motionなどを活用し
幅広く新しいコード進行に出会う事ができる。
Diminished Chordの活用も可能。