2012/06/13

ギターコラム: ギターを良い音でならすために弦からの情報を感じる。

Acousphere奥沢です!
ギター演奏に関するコラム、今回は「ギターを良い音で鳴らすために弦からの情報を感じる」ということについて説明します!

ギター、ウクレレ、ベースなどの弦楽器を演奏する上で良い音で鳴らすということはとても重要ですよね。
でも一概に何が良い音と言えるのかどうかは難しい部分。
「好み」という判断基準で済ませてしまう方法もあるとは思います。
でも、もしも良い音というのがあるとすればそれは「弦が一番のびやかに振動している音」ではないかと自分は考えています。
弦本来の響きを引き出してあげること。
その弦振動が楽器のボディに無駄なく伝わり共鳴すること。
それが「良い音」でないでしょうか。

さて、その良い音を模索する上で大事なのはテクニックとその実験です。
たとえばピックの厚さを変えてみるとか、弦への当て方の角度を変えてみるとか。
組み合わせを変えて実験を膨大に繰り返してゆけばいろいろな音色や響きに出会うことができます。
考察のポイントは以下のようなものがあると思います。
・ピックの厚さ、形、材質。
・指先の爪の有無、長さの調整。
・弦に対するピッキング角度。
・弦の種類。

これらの実験をした上で大事にしてほしい感覚があります。
それが「弦から戻ってくる情報を感じること」なんです。
これがどういう感覚なのか、わかりやすく箇条書きにしてみます!
・弦を弾く。
・自分が弦に対してかけたエネルギーを弦が受け止めて、同じエネルギー分だけ振動してるかをチェックする。
・音色やノートのサスティンによって感じ取る努力をする。
・自分が弦に与えたエネルギー量が少ないと小さく細い音で振動する。
・自分が弦に与えたエネルギー量が多すぎるとアタックが強くサスティンの短い音になる。
・ピックや指先の角度やコンディションが悪いとエネルギーが弦に全て移らず逃げてしまう。
・角度を変えて実験することでエネルギーが100%伝えられる場所が感覚的に発見できる。
・最終的に弦にエネルギーが逃げ出すことなく伝えられていて、尚且つエネルギー量が適切に保たれたピッキングで出力された音が「良い音」の指標となる。

最後の方はちょっとむずかしい説明になってしまいましたがいかがでしょうか?
これが僕がギターやその他の弦楽器を弾くときに大切にしている「弦からのフィードバックを感じる」という事になります。
これがわかるようになると、どの楽器に持ち替えても一番良い音でなる弾き方を早い時間で見つける事ができるようになります。
持ち替え時の違和感も減少するので、ライブステージやレコーディングワークなどの急な持ち替えにもより楽しく対応できるようになります。
またここでいう「良い音」を生み出すピッキング角度を踏まえた上で、更に「好みの音」や「その楽曲にマッチした音」という演奏にも踏み込んでゆきやすくなると思います。
あえて角度を逆にしてGeorge Benson的なファンキーな音色にするとか、順アングルでJohn Mclaughlinのようにキレのある早弾きをするとか!

弦からの情報を感じ取れるようになると色んな音色やプレイスタイルを使いこなせるようになるので、ぜひその感覚を養ってみてほしいと思います!
僕のギターレッスンでもその感覚を育成できる練習課題もありますので、東京近郊の方はAcousphere Guitar Schoolへも立ち寄ってみてくださいね!