2012/07/09

音楽のプロになる権利は誰だってもっている時代。

どうしたら音楽のプロになれるのか?
プロギタリストとして生きて、食べてゆくにはどうしたらいいのか?
ギターの道を志す人たちがいつでも心に秘めている問いだと思う。
僕自身、いまだにこの問いかけの答えを模索している。

プロギタリスト養成講座なるポータルサイトを立ち上げて、自身の体験をもとに当時のプロギタリストの仕事の流れといった情報を公開し共有してきた。
しかし時代の移り変わりは僕が思うよりも早く進行していた。
ビジネスモデルは大きく変化し、プロというものの定義も変わってしまった。
もはやプロかアマかという垣根も全く存在しない現代において、どうしたらプロになれるかという問いかけは前時代的かもしれない。

一言でいえば今は、
「誰でもプロミュージシャンになる権利を有している」
ということだと思う。
海外のアグリゲーター会社「CD baby」を通して、誰でも簡単に自分の音楽をiTunesやAmazon MP3、Google Playなどの店舗で流通販売可能だ。
見た目はメジャーレーベルからリリースされたものも、インディーズのものも違いなく並列で扱ってもらえる。
レーベルによる審査やディレクションもなく、自分の思い通りの音楽作品を残すことができ、思い通りに扱うことができる。
ミュージシャンやアーティストにとっては夢のような状況だ。

だから今は誰でもプロミュージシャンになれる。
問題はプロになるかどうかではなく、その後どれだけ続けてゆけるか、たくさんの人に届けてゆけるかではないかと思う。
その面において過当競争の現在、マーケットはとてもシビアだと思う。
でも売れなければ食べてゆけなかった一昔前の"ギャンブル的"ミュージックビジネスにおいて、「売れるかどうか」だけを物差しにしたような作品作りはしなくてもよくなった。
売れるとか売れないとかトレンドとか関係なく、自分の今を投影した作品を残すことができて、共有することができるのが今のインターネット時代だ。

プロを目指す人は自分のレーベルを設立してCDbabyからどんどんデビューしてほしい。
厳しいマーケットに自分の作品を発表しながらノウハウを蓄積し、現場主義で成長してゆけばよいと思う。
今は誰でも音楽をリリースし、プロとして活躍できる時代だということを感じていてほしい。
僕はこれからの若いミュージシャン達を応援し続けてゆきたいと思う。
同じ立場にいるひとりのアマチュアミュージシャンとして。