2013/05/17

ギターヒストリーを振り返る。

昨日に引き続きナイロン弦ギターの考察。

ニッケル弦を張ったSolid Bodyのギター、通称エレキギター。
箱型のボディにブロンズ弦を張ったフォークタイプのアコースティックギター。
同じく箱型ボディにナイロン弦を張ったクラシックタイプのアコギ。
箱型ボディの表板にアーチ加工が施されニッケル弦を張ったアコギ、通称ジャズギター。
大まかにギターの種類をあげたらこの四種類になる。

それぞれ特性を持ち、できることが違ってくる。
どのギターと最初に出会うか、どのギターを普段弾いているかによってギターライフは大きく違ってくるということになる。
だから特性を知ること、何を選ぶのかが大事になる。

僕は現在アーチドトップのジャズギターをメインにしている。
その音が自分のアイデンティティであり、自分の中にある音楽を表現するにはこのギターしかないと今は思う。
しかし10年近く前にナイロン弦ギターから乗り換えた時、すぐに思い通り弾けたかといえばそうではなかった。
おおよそ3年間くらいはちゃんと響かせることができず苦労した。
自分の中にある音楽が再現できずにいて、知識不足、テクニック不足に打ちひしがれた。
なんどもナイロン弦ギターへと逃避してしまい、アーチドトップギターと向かい合わない時もあった。
ある人の一言によって逃避していた自分に気がつかされ、激しく自己嫌悪し、それをきっかけにナイロン弦ギターを封印し決別した。
何年間もナイロン弦ギターに触らないようにし、自分を追い込んだことでジャズギターを徐々に理解し、いつの間にか自在に操れるようになった。
おかげで新しい表現力を手に入れることができたし、憧れのTuck&Pattiサウンドにぐっと近付けた。

その一方で失ったものも大きかった。
まずメロディプレイの訓練から遠ざかってしまった。
自分の中にあるメロディのギターは常にナイロン弦だったからだ。
そしてサポート演奏。
ジャズギターを使って特殊な伴奏ができるようになった一方で、通常のオーソドックスなプレイも封印されてしまった。
これが僕のつい最近までのヒストリーだ。

今久しぶりにナイロン弦のギターを弾こうという思いが高まって、臨界点を突破した感がある。
前に進むために、ギターを探し求めている。