2014/06/11

不器用な人が作る作品に現れる「密度」というクオリティ。


朝の雑務を終えてコーヒータイム。
スタバのコモドドラゴンを買ってきたのでディカフのエスプレッソで眠気覚ましをしてからまずは考え事。
きのう森田君の音源のアーティスト写真もとったので、森田君プロジェクトは大きく進んだ。
今日のうちに音源のミックスとトラックダウン、できればマスタリングまで進みたい。
それが終わったらようやく撮った写真を編集してCDジャケットデザインだ。

長かった森田君のデビュー作プロジェクトだったけれど、本当に毎回丁寧に一音ずつつむいでできた音楽作品はぬくもりとその人の人格がにじみ出て来て素晴らしいと感じる。
何人もプロデュースをして、その都度その人々と向かい合い共に作品を作ってきた。
そんな中わかったこと、それは「不器用な人ほど密度の濃い作品を作る」ということ。
彼ら不器用な人の作品は密度の濃さが迫力と真実味となって音源の中に閉じ込められ、きいている僕に感動をもたらしてくれる。
僕は正直とても器用な人間だ。
そういう器用な人間が、器用に作品を作ればあっという間に体裁が整ってしまう。
外から見て、短時間で判断すればそれは良い物にみえるだろう。
でも労力や時間というリソースを注ぎ込まないで作り上げた作品はどうやっても「密度」というクオリティを内包しない。
それは自分自身のレコーディングを通しても経験してきたことだった。
なので自戒し、僕はレコーディングにおいては自分を「不器用な人間」と定義し、プロデュースしてきた不器用な人々にならって膨大なテイク数弾く事にしている。
不器用な人たちの姿勢に共感し、学ばせてもらったおかげでAcousphereのサウンドクオリティがある。

森田君にも今回そういう真摯な姿勢をみせてもらうことができた。
この経験が森田君だけでなく、僕にとってもまた貴重な経験になった。
さあ、マスタリングを終えてリリースしたら、次の経験に向けて踏み出そう。