2014/07/03

最近のAerial池田がすごい件について。


最近の池田君の演奏がすごい。
ここ数ヶ月Michael Hedgesの名曲「Aerial Boundaries」を僕のギターレッスンで教えていた。
といってもこの楽曲は難曲すぎて僕にもすぐに弾く事はできない。
長年彼が完コピし練習していたアレンジメントを弾いてもらいつつ、僕の頭脳でMichael Hedgesのコンセプトを探りつつ演奏のレベルを上げるというレッスンだった。
そのレッスンは見事な効果を上げて池田君の演奏を大きくレベルアップさせることに成功したと思う。
実際に気付く事ができたコンセプトをいくつか書いておく。

・左手タッピング(トリル)と右手のタッピングが独立したラインの場合もある(下部と上部のアレンジ)が融合してダブルストップを形成してる部分も多い。ダブルストップを弾くのに指が足らなくて右手が出て来ている部分は「分離」ではなく「融和」をめざし。同じ音量とタイミングのタッピングを心がける。
・冒頭トリルの右手ミュートの部分で左手のトリルの勢いがなくなるのは間違い。同じレベルの運動をキープしつつ右手がミュートする。それによりここは「右手のタッチミュートの効能」というコンセプトを押し出す事ができて演奏がコンセプチュアルになるし、堂々とした演奏につながる。
・個々のアレンジパートをつなぐ「継ぎ目」の部分をしっかり確認し、その部分専用のアレンジメントを施す事。シームレスな変化を心がけ小節線が演奏のギャップとなって現れないように努力する。
・なぜこのようなテクニックで弾いているのかについて音楽的な見地で考える。Aerial Boundariesを生み出したSteve Reichのミニマルミュージックとの関係性と音楽の成り立ちを知っておくべき。ただのトリルやタッピングハーモニクスというテクニックを見せたくて出来上がった作品ではない。

かつてない仕上がりを見せた池田君のAerial Boundaries。
やはりこれをたくさんの人の前で披露するべきだと思う。
僕だけがレッスンの時間に目の前で堪能してるのは余りにも勿体ない。
こうなってこそライブをする意味が出てくるのかもしれない。