2014/10/20

もっとも良い音出すギタリストは。


”最も良い音を出すギタリストは誰か?”
という問いに対する答えはもちろん難しい。
スタイル、機材、指弾き、ピック弾き、ギターの弦など様々なファクターをかんがみなくてはならないが、それを考察した上で僕の答えはPat Methenyだ。

まず僕にとっての良い音の定義は”説得力のある音”だ。
Pat Methenyの出す音がまさにそれ。
どういうメロディを弾くとか、速弾きのフレーズだとかではなく、音の迫力。
Jacoの言葉を借りて言えば”確信をもって弾く”ということだろう。

その迷いのない音は演奏のテクニックにも現れている。
フィンガーボードに対して垂直に叩き付ける左手の運指がまさにそれだ。
そこから繰り出される音はいっさいの迷いがない、自信に満ちあふれた音色となって僕らの心に突き刺さってくる。
Pat Methenyの人格が音色を通して強く伝わってくる。
それこそが僕らが目指すべき音色なんじゃないかと思うのだ。

”指先を立てて弾く”というごくシンプルなコンセプトだが正しく身に付けているギタリストはプロアマ問わず少ない。
僕の弟子達にはまずのPat Metheny的なテクニックを試してほしいと思う。
それを理解した上でその次のコンセプトに向かうことをしてほしい。
時に迷いつつ、確信をもてないままならす音も色っぽくて素晴らしいからだ。