2015/07/02

変わらなくちゃいけない。

21歳の時親友と死別した。
佐藤直人、22歳。
ひたむきで情熱家だった彼は1人会社で残業し、深夜に心臓発作に見舞われ会社のデスクに倒れたまま見つかった。
葬儀は社葬で盛大なものだったが葬儀場は嘆きで埋め尽くされ修羅場だった。
高校時代3年間毎日一緒にいた。
奴が生徒会長で僕が補佐を務めた。
彼の実家の商売を手伝い、棚卸しの度にふたりで大量の段ボール箱を潰し続けた。

とりかえしのつかないことをしてしまった。
そう思い、自己嫌悪と喪失感にさいなまれた。
僕らの生命は頑強でその炎はそうそう消えるものではないとタカをくくって生きていた。
いつでも会える、50歳こえる頃に高校時代を語り合うだろうと甘く見ていた。
それは間違いだった。
命はいつだって儚く脆い。

あの喪失感を感じないように一期一会を座右の銘に誠実に生きてきた、はずだった。
しかし現実は違っていた。
いま僕は大きな後悔と喪失感を感じている。
ちゃんとできていなかったから、また同じ悲劇と出会ってしまった。

変わらなくちゃいけない。
もう一度自分を見つめ直し、自分の中にある悪い感情を殲滅しなくてはいけない。
面倒だと思う心、先行きを甘く見る心、形骸化している行動、成功への焦り。
それらを倒し自分に資格が生まれたらもう一度モナと出会いたいと思う。
このままでは終われない。