2015/08/08

小坂明子さんの「あなた」という名曲。

昨日は解良さんのギターレッスン。
先日アコカフェでの初フリーライブを終えて気持ちを新たに新曲と取り組むことに。
いま彼女と掲げている「日本のフォークソングのメッセージングを現代に」というコンセプトはなかなか素敵だと思う。
いま音楽はビジネスも文化も不況であるがその原因のひとつが強いメッセージを発しなくなってしまった我々音楽家にあると思う。
ではどうしたらそれを取り戻せるのか。
それはまだ全然わからない。
ただ政治色を強めれば言い訳でもないし、刺激的な言葉で挑発し耳目を集めるのも単にテクニックでしかない。
その答えを求めること。
それを僕はフォークミュージックへの回帰によって探れないかと思っている。
温故知新。

今回解良さんが演奏しようと提示してきた曲は小坂明子さんの名曲「あなた」。
「もしもわたしが家を建てたなら」という歌詞からはじまるあの曲だ。
自分とあなたと小さな幸せを憧憬を含めて歌った素晴らしい曲である。
原曲と同じテンポ、グルーヴで歌うととても望みが切実なものに響く。
僕は感じた。
きっとあのころの経済では小さな家をもつことも大きな夢だったのではないか。
僕がこの歌詞を読んで感じるスケール感はいまの自分や経済に即したものであって本質ではないのかもしれない。
しかし音楽は、リズムは偉大である。
歌として完成させて歌詞を受け取るとき、そこには切実さが現れ当時の空気感や生活感、経済までも追体験することができる。
やはり音楽とはすごいと改めて感じる。

時代錯誤になってしまうかもしれないけど、当時の想いを追体験するためにそのまま原曲と同じグルーヴで今の時代に演奏することも大切かもしれない。
でも解良さんとのプロジェクトにおいて、この曲を現代に適したメッセージングができるようなグルーヴにアレンジしようと思う。
その作業の中で今という時代の正体がちょっとは掴めるのではないかと考える。
まだまだたくさんの人の心を捉え癒してくれる音楽はどこかにあるはずだと信じている。