2015/12/01

ホームレコーディングのマイキング考。

ホームレコーディングをするなかでどんな機材、どんな方法論がもっとも良い結果を生むのか考える。
とりわけマイクとマイキング。
ボーカル録音の定番は無指向性のコンデンサーマイクだがことホームレコーディングに関しては難しい。
外を走る車の音、サイレンなど定在波という言葉では処理できない音がのってきてしまう。
それらをオミットできたとしても今度は壁面の初期反射音の問題がある。
たいていのばしょでは石膏ボードに壁紙という組み合わせのはずだが、これがボワんとした中域の厄介な初期反射音を作りボーカルの音をダブリングさせてしまう。
丁寧にグラフィックイコライジングすればクリアなサウンドにある程度戻せるけれど、ならば集音時にクリアしておけばもっと素性の良い音になる。
壁面に集成材の木製ボードを貼り付けた部屋を作ってクリアしたこともあるが(とはいえハバナのスタジオの様な反響はあるが)現実の住環境には合わない解決法だろう。
吸音材を施工したこともある。
これが一番の解決法だったが価格と維持管理問題でもあった。
吸音材が経年変化で傷みボロボロ崩れ落ちてしまった。
つまり無指向性マイクを活かせる環境を作るのが困難ということかもしれない。
もしくは高コストということ。
テクニックでこれを乗り越える方法は単一指向性、超指向性のマイクでの集音だろう。
これなら壁面のミュートも外部からのノイズも最低限に抑えることができる。
ただしほんの少しの角度や距離の差で音色が急変してしまうので集音時にしっかりモニタリング、ディレクションをしなくてはならない。
時に演奏者にストレスを与えてしまうこともあるだろうが乗り越え使いこなせれば良い音がミュートが不完全な場所でも集音できる。
何を得て何と引き換えにするのかは人それぞれ。
しかし困難を乗り越えるイディオム、コンセプトがあれば良いとこ取りはできるはずだ。

写真はブガッティ、ヴェイロンの後継者シロン。
ブログの内容とはまったく関係ないがかっこよい。

[Acousphere Live]
2016年 2月2日 19:00 吉祥寺スターパインズカフェ
詳しくは http://www.acousphere.net へ!